飛行機に乗る予定の日に台風が接近し、運航するかどうかが怪しいとき、航空会社は事前に運航の見通しを発表し、予約取消や振替をしてくれることがあります。この記事では、台風接近時の対応方法について解説していきます。
飛行機は強風の影響を受けやすい
台風で遅延や欠航が発生する要因の大部分は強風の影響です。飛行機は雨よりも風に左右されます。これは筆者の感覚的なものですが、大体風速が15m/s以上だと飛ばないもしくは遅延する可能性が出てきやすいと思っています。
ANAは遅延・欠航見通しでも、JALは通常通りといったこともあります。要因の一つに、使用する機材性能の問題があります。ざっくりと簡単に言うと、機体が大きいほど、風の影響を受けにくいです。反対に機体が小さいほど風の影響を受けやすいので、遅延や欠航をする可能性が高くなります。
それ以外にも、機材繰りの問題があります。自分の乗る飛行機の発着空港に台風の影響はなくても、実際に乗る機体が台風の影響のある地域から来るのであれば、遅延や欠航の可能性はあります。
どちらにせよ、強風による影響で、飛行機は影響を受けやすいと考えましょう。
台風接近時の対応
遅延・欠航が判明した場合(見通しを含む)
台風など(不可抗力)飛行機が飛ぶことのできない場合、便の振替(予約変更)や払い戻し(キャンセル)をすることができます。また、この際の振替・払戻に手数料はかかりません。
【変更の場合】
出発便予定出発日から10日以内に手続きをすれば、予約便出発予定日から30日以内の空席がある便に変更可能。
【払戻の場合】
予約便出発予定日から30日以内であれば払戻可能。なお、WEBで手続きをする場合は、予約便出発予定日から10日以内であれば可能。それ以降は電話で手続きをする必要があります。
どちらも手続きは予約便出発予定日の翌日以降も可能です。(パッケージツアー・団体旅行を除く)
ホテル宿泊費や交通費の負担
遅延や欠航により追加で発生した、ホテルの宿泊滞在の費用や、交通費は、各自負担をする必要があります。航空会社に請求することはできない決まりとなっています。
ただし、クレジットカードの付帯保険で欠航・遅延損害保険がついているものもあります。詳しくは、ページ下部で解説します。
遅延・欠航はいつ判明するか
天気予報的ことになりますので、台風の進路により直前に、遅延や欠航が発表されることもあれば、数日前に発表されることもあります。台風の勢力や天気予報の精度にもよることから、いつ発表されるかは一概に言えません。
ANAの公式サイトにはこのように記載されています。
””運航への影響が予測される空港を発着する便の航空券につきましては、遅延や欠航が決定していない場合でも、手数料なく、搭乗予定便の変更(振替)および払い戻しを承ります。対象となる空港は運航日の2日前(18:00)を目途に決定しています。””
おおよそ2日前を目途に、運航状況発表されると考えてよいでしょう。
欠航や遅延が往路便または復路便のみの場合
欠航や遅延が発表された便が、往路便または復路便のみの場合や、乗継便のみの場合であっても、すべての行程についての、変更・払戻をすることが可能です。この場合は、欠航・遅延便の手続きと同時に変更・払戻する必要があります。
全ての行程で取消可能なパターン
①、②どちらかが欠航・遅延すれば取消可能
羽田→①欠航・遅延→那覇→②運航→羽田
羽田→①運航→那覇→欠航・②遅延→羽田
①、②、③、④いずれか一つでも欠航・遅延すれば取消可能
羽田→①欠航・遅延→那覇→②運航→宮古→③運航→那覇→④運航→羽田
羽田→①運航→那覇→②運航→宮古→③欠航・遅延→那覇→④運航→羽田
確認方法
WEB
運航に影響が予測される空港
https://www.ana.co.jp/fs/dom/jp/
このように台風の運航への影響が発表されます。
メール
実際に台風による運航への影響についてのメールがこちらです。
もし、予約しているチケットが、該当するとこのようなメールが送付されます。運航への影響とあわせて、旅程の変更(振替)・払い戻しについてのお知らせの記載があります。
SMS
実際に台風による運航への影響についてのSMSがこちらです。
詳細はURLをクリックして確認します。
予約取消・振替の方法(WEBまたは電話)
予約取り消しの方法は、WEBもしくは電話で手続きをします。
電話にて手続き
ANA国内線予約・案内センターに手続きを行います。
やはり、遅延欠航が多くなる日は、会員以外の方のコミュニケーターへの接続時間が1時間程度と、かなり待たされます。プレミアムメンバーの方であれば、専用デスクで待ち時間ほぼなしで対応してもらえます。
WEBにて手続き
インターネット上で同一区間のANA便からANA便への振り替えが可能です。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/reservation/refund/domestic/weather/
WEBで払戻ができないケース
WEBで払戻ができないケースがあります。その場合は、ANA国内線予約・案内センターに電話をして手続きをします。
WEBで払い戻しができないケース
・予約便出発予定日翌日から11日以降に払い戻す場合
・「ANAご利用券」で支払いした場合
・「プレミアムビジネスきっぷ」「ビジネスきっぷ」「乗継系割引運賃(ANA VALUE TRANSITなど)」などの運賃で旅程の一部を払い戻す場合
・「いっしょにマイル割」
・ANA空港カウンターまたは一部旅行会社で購入した場合
・往路便と復路便の予約記録が異なる場合
以上の場合に当てはまれば、電話で手続きをしましょう。
返金の方法と必要日数
予約取り消しの手続きをすると、返金の流れになります。支払方法によって、返金方法や必要日数が異なります。
支払方法別
クレジットカード・・・購入時に使用したクレジットカード会社を通じて返金されます。手続きのタイミングとカードの締め日によって、返金に時間がかかることがあります。おおよそ1~2か月が必要期間です。
現金・・・手数料負担なしで、指定の銀行口座に入金されます。WEBで払戻をした場合は、当日または翌日に返金されます。予約・案内センターで払戻した場合は、7日以内に払戻されます。
ANA SKY コイン・・・手続き時点で有効期限を過ぎているANA SKY コインは払い戻されません。手続きと同時に返還されます。
遅延・欠航保険のついたカード
飛行機の遅延・欠航に巻き込まれた場合、クレジットカードの保険により保険金がもらえる可能性があります。
ANAワイドゴールドカードVISA/MASTER(利用付帯)
出航遅延・欠航・搭乗不能費用・・・保険金額1万円(1回の遅延の限度額)
搭乗予定の航空便について、次のいずれかの事由が生じ、出航予定時刻から4時間以内に代替となる航空便に搭乗できなかった場合。
・4時間以上の出航遅延
・欠航・運休
・搭乗予約受付業務の瑕疵による搭乗不能
対象となる保険金・・・出航地において代替便が利用可能となるまでの間に被保険者が実際に負担した食事代(ホテル代等は対象外)