ANAには通常積算されるマイルのほかに、ミリオンマイラープログラムの判定に必要となるライフタイムマイル(LTマイル)というプログラムがあります。この記事では、ライフタイムマイルとは何なのか、また通常のマイルとはどう違うのかについて解説していきます。また、その貯め方と特典についてもお話しします。
こんな方におすすめ
- ANAライフタイムマイルとは何か知りたい方
- ライフタイムマイルと通常マイルの違い
- ミリオンマイラーになるために必要な搭乗回数
ライフタイムマイル(LTマイル)・ミリオンマイラープログラムとは
ライフタイムマイル(LTマイル)とミリオンマイラープログラム
特典航空券に変えることのできるマイルの他に、ライフタイムマイル(LTマイル)というものがあります。LTマイルは「ミリオンマイラープログラム」の積算のみに利用できるマイルです。
ANAライフタイムマイルは、ANAマイレージクラブ会員がこれまでに搭乗した飛行機の「総飛行距離」の合計実績です。ライフタイムマイルを貯めることで、生涯にわたってANAの特別なサービスを受けることができます。つまりANAのお得意様として特別扱いをしてもらえるようになるということです。
ココがポイント
ライフタイムマイルとは、ANAマイレージクラブ会員がこれまでに搭乗した飛行機の総飛行距離の合計実績。
ANAグループ便に搭乗することで、ANAライフタイムマイルが積算されます。スターアライアンス便などの提携航空会社に搭乗した場合は、ライフタイムマイルが積算されます。
ココがポイント
LTマイルには、ANAグループ便のみが積算対象のANAライフタイムマイルと、提携航空会社も含めたライフタイムマイルの2種類がある。
ライフタイムマイルの積算される数値は、座席種別や運賃種別にかかわらず、移動した区間基本マイル(100%)となります。ファーストクラスでどれだけ高い運賃を払おうが、エコノミーでどれだけ安く搭乗しようが一律です。また、特典航空券で通常のマイルはたまりませんが、LTマイルは貯めることができます。(事後登録が必要)
ライフタイムマイルは減算される(減る)ことはありません。一生涯にわたって貯め続けることができます。
特典航空券の場合は積算対象外に注意
特典航空券の場合、ANAマイルを利用して、ANA運航便とANA便で予約したコードシェア便のみ積算の対象となります。つまり、以下の場合は積算の対象外です。
- ANAマイルを利用して他社便に搭乗した場合は積算の対象にはなりません。
- 提携航空会社のマイルを利用して、ANA便に搭乗した場合はライフタイムマイルが積算されません。
ANA便に搭乗したとしてもライフタイムマイルが積算されないパターンがあることを覚えておきましょう。
ライフタイムマイルの確認方法
ライフタイムマイルをまずは確認してみてください。ANAマイレージクラブにログインをします。そして、マイルが表示されている場所をクリックすると、ライフタイムマイルが表示されます。
今までどれだけ飛行機に乗ってきたかがわかります。マイルという表現はあまり使い慣れない方もいるかと思いますが、1マイル=約1.6キロで地球1周4万キロ=約25,000マイルと考えればわかりやすいでしょうか?
ライフタイムマイルの積算方法
有償でチケット購入し、チケットとANAマイレージクラブの会員番号が紐づいている場合は、自動的にライフタイムマイルが反映されます。
特典航空券でANA便に搭乗した場合に、ライフタイムマイルを積算するためには、事後登録という手続きが必要です。
マイルの事後登録
ミリオンマイラープログラムの特典
ミリオンマイラープログラムで用意されている特典は次の4つです。ライフタイムマイルの獲得実績によって、特典が得られます。ライフタイムマイル数が、50万~400万マイルで特典が用意されています。
- 特典1: ANA SUITE LOUNGEの永久利用
- 特典2:マイルの有効期限延長(無期限化)
- 特典3: ANAスーパーフライヤーズカードの申込資格
- 特典4: ANAオリジナルのネームタグ
以下がマイル数ごとに付与される特典です。
LTマイル数 | 特典 |
50万マイル | オリジナルネームタグ |
100万マイル | オリジナルネームタグ マイル有効期限延長 |
100万マイル(ANA+提携航空会社) | オリジナルネームタグ |
200万マイル | オリジナルネームタグ マイル有効期限延長 「ANA SUITE LOUNGE」の利用資格 スーパーフライヤーズカードの申込 |
300万マイル | オリジナルネームタグ マイル有効期限延長 「ANA SUITE LOUNGE」の利用資格 スーパーフライヤーズカードの申込 |
400万マイル | オリジナルネームタグ マイル有効期限延長 「ANA SUITE LOUNGE」の利用資格 スーパーフライヤーズカードの申込 |
一番達成しやすい50万マイルは特典がネームタグのみです。
反対に、最も達成が困難な、300万マイルと400万マイルは、ネームタグがもらえますが、200万マイル以降は特典が変わりません。100万マイルでは、ANA+提携航空会社の合計で達成した場合の特典はネームタグのみですが、ANA単独で達成した場合はマイル有効期限の延長特典があります。
ネームタグ
ANA SUITE LOUNGEの永久利用
200万マイル以上を達成すると、ANA SUITE LOUNGEを利用することができます。基本的にはファーストクラスもしくは、ダイヤモンドステイタスの人しか入ることのできない特別なラウンジです。
「ANA LOUNGE アクセスカード」が届けられ、カードの提示によりラウンジ利用が可能となります。
必要搭乗回数や距離を計算してみた
ミリオンマイラープログラムで特典を得るためには、50万マイルでもかなりハードルが高いです。仕事などで頻繁に長距離の飛行機を利用している人でも10数年の期間が必要といわれています。
主な国内空港間の移動で獲得できるLTマイル数
羽田⇔伊丹・・・片道280マイル、往復560マイル
羽田⇔新千歳・・・片道510マイル、往復1,040マイル
羽田⇔福岡・・・片道567マイル、往復1,134マイル
羽田⇔那覇・・・片道984マイル、往復1,968マイル
伊丹⇔新千歳・・・片道666マイル、往復1,332マイル
伊丹⇔那覇・・・片道739マイル、往復1,478マイル
羽田⇔那覇を年5回移動する場合
沖縄路線は区間基本マイルが国内線の中では貯めやすい路線です。
区間基本マイルは984マイル、往復で1,968マイルです。
年に5回往復したとすると、1,968×5=9,840マイル。
50万ライフタイムマイルを貯めるには、約50年かかります。
往復2万円でチケットを購入したとすると、総額500万円。
100万ライフタイムマイル貯めるには、約100年です。
幼少期からANAマイレージクラブに入会し、コツコツと貯めていくスタイルでないと、特典を享受するまでには、高齢になってしまいます。
ライフタイムマイルを稼ぎやすい沖縄路線ですら、ここまでの時間がかかります。
成田⇔ハワイ(ホノルル)を年2回移動する場合
長期休暇にハワイに年2回行くといったパターンの場合です。区間基本マイルは3,831マイルで、往復で7,662マイルです。
年に2回往復したとすると、7,662×2=15,324マイル。
50万ライフタイムマイルを貯めるには、約32年。
100万ライフタイムマイルを貯めるには、約64年です。
上述の羽田・沖縄に年5回よりも現実味が出てきました。ただし、ハワイに32年連続で年2回行くという方はなかなかいないのではないでしょうか。ここでも、ミリオンマイラーを達成することの困難さがわかります。
成田⇔パリに年2回・ニューヨークに年2回移動する場合
仕事などで飛行機での移動が多い方は貯めやすいのではないかと思います。
たとえば、成田からパリとニューヨークに年2回ずつ行くという方の場合を考えてみます。
成田⇔パリの区間基本マイルは、6,194マイルで、往復12,388マイルです。
年に2回往復したとすると12,388マイル×2回=24,766マイル。
成田⇔ニューヨークの区間基本マイルは、6,723マイルで、往復13,446マイルです。
年に2回往復したとすると13,446マイル×2=26,892マイル。
以上、パリとニューヨークを2回ずつ移動した場合の年間ライフタイムマイルは51,658マイルでした。
50万ライフタイムマイルを貯めるには、約10年。
100万ライフタイムマイルを貯めるには、約20年です。
特典航空券の事後登録(WEB)
特典航空券の場合は、搭乗後に事後登録が必要になります。ここでは、WEBでの手続きの方法について解説します。国内線と国際線で登録のページが異なります。
登録までの期限は搭乗後6か月以内です。
国内線の場合
登録用のページにアクセス
https://cam.ana.co.jp/psz/amcj/jsp/amcretro.jsp
搭乗後の翌日午後以降から登録できます。登録後はマイレージ利用実績明細を確認するとすぐに反映されます。
国際線の場合
登録用のページにアクセス
https://cam.ana.co.jp/amcmember/amcprofile/intretro/Entrance
搭乗後3日目以降に登録することができます。
まとめ
ライフタイムマイルについてのポイントをまとめてみました。
- LTマイルは今までの総飛行距離の合計
- 積算されるのは区間基本マイル100%で座席種別によらず一律
- 特典航空券でも積算可能
- 他社マイルの利用は積算不可
- ミリオンマイラーのハードルはかなり高い
以上、ライフタイムマイルの解説でした。
ライフタイムマイルには失効期限がないことから、長い期間をかけてコツコツと貯め続けるという姿勢が重要となると思います。お子様がいる場合はAMCに入会して貯めておいてあげるというのも子に対するプレゼントになりそうです。
ミリオンマイラーになるハードルが高い分、特典のによるメリットは絶大です。人生の目標に目指してみる価値のあるプログラムといえるでしょう。