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【保存版】日本のマイル制度の歴史|ANA・JALの歩みと今後の変化を徹底解説

 

1. そもそも「マイル制度」とは何か?

マイル制度(Frequent Flyer Program:FFP)は、航空会社が顧客の囲い込みのために導入したロイヤルティプログラムの一種です。

この制度の始まりは1981年、**アメリカン航空が導入した「AAdvantageプログラム」**とされており、これが現代の「マイル制度」の原点です。

  • AAdvantageでは、飛行機の搭乗距離(mile)に応じてマイルが貯まるという仕組みを初めて導入。
  • 当初はビジネスマンなどの上得意顧客への特典として機能していましたが、以後ユナイテッド航空・デルタ航空・ノースウエスト航空などが追随し、アメリカ国内で一気に広まりました。

このFFPの革新性は、「航空券に対する価格競争」ではなく「顧客の囲い込み」を促進できる点にあります。

そのため、マイル制度は長期的な顧客ロイヤリティ構築の要として、世界中の航空会社へと波及していきました。

2. 日本でマイル制度が始まったのはいつ?

日本国内でマイル制度が導入されたのは、比較的遅めの1990年代です。

先に制度を導入したのは**JAL(日本航空)で、続いてANA(全日空)**が追随しました。

航空会社マイル制度導入年プログラム名
JAL1993年JALマイレージバンク(JMB)
ANA1997年ANAマイレージクラブ(AMC)

当時は、まだマイルという言葉自体の知名度も低く、

ビジネスマンやヘビーユーザー向けのサービスとして位置づけられていました。

■ 初期のマイル制度の主な特徴

  • マイルは「搭乗距離」に比例して付与
  • 特典交換の選択肢は主に国際線航空券に限られていた
  • 有効期限は短く、3〜4年程度(実質失効することも多かった)
  • 上級会員制度は未整備か、非常に限定的な利用条件だった

特に当時の航空券は高額で、ビジネス利用が主流の中で「年に何度も搭乗する」ユーザーでなければマイルを貯めることすら難しい時代でした。

今のように、一般ユーザーが“マイルで海外旅行へ”という状況は、まだ遠い未来だったのです。

3. クレジットカードとの連携が広がり、陸マイラーが誕生

マイル制度が一気に一般ユーザーへと浸透する契機となったのは、

ANA・JALとクレジットカード会社の提携強化によるものでした。

  • 1998年以降、三井住友カードやJCBなどがANA・JALと提携したマイル付きクレジットカードを発行
  • 買い物などの支払いでもマイルが貯まる仕組みが一般化
  • 「飛行機に乗らずにマイルを貯める」=**陸マイラー(おかまいらー)**の概念が誕生

■ 初期の提携カード例(ANA)

  • ANA VISAカード(一般/ゴールド)
  • ANA JCBカード(一般/ゴールド)
  • ANAダイナース、ANAアメックスなど高ステータスカード

この頃からマイル制度の性質は徐々に変化し、

単なる“搭乗者の囲い込み”から、“消費行動の囲い込み”へと広がっていきました。

■ 陸マイラー文化の原型

  • クレカ利用で年間10,000〜30,000マイル程度の獲得が可能
  • 「毎月固定費の支払いはすべてANAカード」などが推奨されるようになる
  • 一部では税金や保険料を“マイル目的でクレカ払い”にする人も増加

こうして、マイル制度は本格的に「旅好き」「お得好き」な一般層に浸透。

航空会社のビジネスモデルも、マイル=負債という面だけでなく、カード発行手数料や提携ビジネスによる収益源として再構築されていきます。

4. マイルバブルと「無料海外旅行」が当たり前だった時代

2000年代初頭から2010年頃にかけて、日本のマイル制度はバブルの時代と呼ばれるほど「お得感」が強い時代でした。

■ 当時の特典航空券ルール(例)

  • ANA国際線:欧米ビジネスクラス往復で6万マイル台(今は約9~11万)
  • JAL国内線:片道7,500マイルから予約可能
  • 空席があれば「予約変更も無料」という緩さ

この時代の特筆すべき点は、「ポイントサイト経由+クレカ支払い+家族カード併用」などの戦略を駆使することで、

「年に1~2回の海外ビジネスクラス旅行が“無料”で叶う」

という状況が、比較的“普通のサラリーマン”でも現実可能だったことです。

■ 主な背景

  • クレジットカードの決済額に対して1%相当のマイル還元
  • モッピー・ハピタス・ECナビなど高還元率のポイントサイトが急増
  • ソニーバンクなど一部の銀行ではマイル付与付きの預金商品まで存在

**「マイルで無料旅行へ!」**という言葉が本当に現実的だった時代です。

当時のマイラーたちは「旅行に行きたいからマイルを貯める」のではなく、

「マイルがあるから旅行に行く」という発想が主流でした。

5. 上級会員制度(SFC/JGC)の登場と“修行”文化の誕生

2000年代半ば、ANAとJALは上級会員の優遇制度を恒常的に保持できる仕組みとして、

  • ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)
  • JALグローバルクラブ(JGC)

を導入します。

これらは本来、上級ステータス(ANA=プラチナ、JAL=サファイア)に達した人だけが申込可能。

一度取得すれば、クレジットカードを維持する限り、上級ステータスのほぼ全特典が“半永久的に維持”されるというものでした。

■ 主な特典

特典内容SFC / JGC共通
ANA/JALラウンジの無料利用
優先チェックイン・手荷物優先
優先搭乗
国際線ビジネスクラスカウンター利用
スターアライアンス / ワンワールドでの上級資格保持

この“半永久的ステータス”が、一部の人々に火をつけました。

それが「修行(しゅぎょう)」と呼ばれる行動です。

■ 修行とは?

短期間で飛行機に集中搭乗して、上級資格条件を満たすこと。

例:

  • ANA:1年間で50,000プレミアムポイント(PP)
  • JAL:1年間で50,000FLY ONポイント(FOP)

「羽田〜沖縄」「那覇〜石垣」などの短距離・高効率路線を繰り返すルートが好まれ、

SNSやブログでは「修行ルート」「PP単価」などの比較情報が飛び交いました。

6. 陸マイラーの頂点「ソラチカルート」とは何だったのか

そして、マイル制度の“裏技”として伝説的な存在となったのが、

**「ソラチカルート」**と呼ばれるANAマイルへのポイント交換ルートです。

■ ソラチカルートとは?

  1. ポイントサイト(モッピー、ハピタスなど)でポイントを貯める
  2. GポイントやPeXを経由して「メトロポイント」に交換
  3. 東京メトロが運営する「ソラチカカード」で、ANAマイルに81%の高効率で交換

このルートがもたらしたのは:

毎月20,000円相当のポイントを、16,200ANAマイルに変換できる

という、当時としては「最強」の陸マイル獲得手段。

■ 影響力

  • ソラチカルートの存在によって、クレジットカードや飛行機に乗らずに年間20万マイル以上貯める人も出現
  • 「ポイントサイト→マイル」という流れが完全に定着
  • SNSやブログでは、モッピーやハピタスの紹介キャンペーンが飛び交うように

しかし――

このルートは2018年3月、東京メトロの方針変更により封鎖されることとなり、多くの陸マイラーが嘆き悲しみました。

現在は代替ルートとして「TOKYUルート(75%)」などがありますが、

還元率・汎用性ともにソラチカルートの再来は難しいとされています。

7. コロナ禍とマイル制度の転機

2020年、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックは、航空業界に壊滅的な打撃を与えました。

ANAやJALも例外ではなく、国内外のフライトが激減。

マイル制度の根幹である「飛行機に乗る=マイルを貯める/使う」が完全に機能不全に陥ったのです。

■ 主な影響と対応策(ANA・JAL共通)

対応内容概要
特典航空券のキャンセル無料コロナによる欠航や不安に対応し、柔軟な変更・取消可に
マイル有効期限の延長対象者のマイルを最大2年延長(段階的対応)
上級会員資格の救済措置翌年もステータスを維持できる「自動延長」を実施
スカイコイン・eJALポイントの有効活用有償航空券やホテル予約などへの活用促進

これにより、マイル制度は単なる“旅行促進”の手段ではなく、

**「カスタマーとの継続的関係維持」**の一環として再評価されるようになりました。

■ 陸マイラーにも影響が…

  • ポイントサイト案件の減少(広告出稿抑制)
  • 高額案件(クレジットカード、FXなど)の審査厳格化
  • 自粛ムードで「旅行=悪」のような空気が漂った

その結果、2020〜2021年にかけて、マイラーの活動量は一時的に急減しました。

8. 欧米マイル制度との違いと、今後の制度変化予測

近年、欧米の主要航空会社では、マイル制度の“ルール改定”が加速しています。

特に顕著なのは、「価格連動型(Revenue-Based)モデル」の導入です。

■ 欧米の主な変更点(例)

航空会社改定内容
アメリカン航空距離ではなく「航空券代金」に応じてマイル加算(5〜11倍)
デルタ航空特典航空券は常に「変動制」=マイル残高で取れる便は稀
ブリティッシュ・エアウェイズエリートステータスの加算要素を「有償額」に変更

このように、欧米では**「高いお金を払う人が優遇される」**ことが制度に明文化されつつあります。

■ 対する日本(ANA・JAL)は?

現在のところ、ANAもJALも、

  • マイル加算は搭乗距離と運賃クラスによる固定加算
  • 特典航空券も一定マイル数で発券可能な「固定型」

というスタイルを続けています。

■ ただし、変化の兆しも…

  • ANAでは「ダイナミックプライシング」型の特典航空券導入(段階的)
  • 有償航空券購入で使える「スカイコイン」の比重アップ
  • ポイントサイトやマルチポイント統合(ANA Pay、JAL Payの普及)

つまり、将来的には日本でも「マイル=ポイント的な扱い」へ移行することが考えられます。

9. 【まとめ】マイル制度の未来と私たちの賢い付き合い方

ここまで、日本のマイル制度が

  1. ビジネス客向けの囲い込み施策として誕生し
  2. クレジットカード・ポイント連携で陸マイラー文化が花開き
  3. 修行・ソラチカルートなどで“技術的に攻略”され
  4. コロナで再編を余儀なくされ
  5. 今、グローバルスタンダードに向かって変化を始めている

という歴史をたどってきたことが分かります。

■ 今後のマイラーに必要な視点

  • 「ただ貯める」から「いつ・どこで・どう使うか」へ
  • 固定観念に縛られない柔軟な戦略(e.g. スカイコインへの切替)
  • クレカやポイントサイトの還元率変動を常にウォッチする
  • ANA・JALの動向に加えて、国際的なマイル制度の潮流にも敏感であること

【おわりに】

マイル制度は、私たちにとって単なる「ポイント」ではありません。

夢を叶えるための手段であり、人生の楽しみを広げる“通貨”のような存在です。

これからも制度は変わり続けるでしょう。

でも、その歴史を理解し、柔軟に対応する知恵を持っていれば、

マイルはこれからも、私たちの旅の力強い味方であり続けるはずです。

 

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