1. はじめに
「海外で現金が足りなくなった…」──そんな状況に、あなたはどう対応しますか?
旅の途中でふと気づくと、財布の中はスカスカ。
ATMは見つからない、クレジットカードは使えない、通信環境も不安定…。
そんな「お金がない!」という海外特有の危機的状況は、誰にでも起こり得ます。
✔ よくあるケース
- ATMが故障していて現金が引き出せない
- カードが盗難・紛失で使えない
- 現地通貨が思った以上に必要だった
- 急な病気や事故で医療費がかかった
- カード会社に渡航通知を忘れて停止された
こうした事態は、事前に対策しておけば防げるものもあれば、現地で迅速に判断して行動すべきものもあります。
この記事では、
- 出発前にしておくべき準備
- 現地で現金を確保する具体的な方法
- 大使館や送金サービスを使った緊急対処法
- 実際に起きたトラブルと対応事例
などを網羅しながら、「現金が足りない!」という最悪の事態でも慌てずに対処する方法を、わかりやすく丁寧に解説していきます。
あなたの旅先での安心と安全を守るために、ぜひ最後まで読んでください。
2. 現金不足が起こる状況とリスク
海外で現金が突然足りなくなるのは、想像以上に頻繁に起こるトラブルです。
「大丈夫だろう」「クレジットカードがあれば平気」と思っていた人ほど、危機に直面しやすい傾向にあります。
● よくある「現金不足」シーン
- 現地のATMが利用できない(通信障害・機械の故障・キャッシュカードの非対応など)
- カードが不正検知でロックされた(渡航前に利用通知をしていない場合)
- 財布やバッグを盗まれた(スリ・置き引きによる被害)
- 想定外の出費(医療費・ホテルのデポジット・移動トラブルなど)
- カードが使えないお店や市場しかない(特にアジアや中南米の地方都市)
これらはすべて、実際に多くの旅行者が経験しているリアルな問題です。
● 実際に起きたトラブル事例
▶ ケース①:ヨーロッパでATMがすべて「一時利用停止」
ある旅行者は、イタリアで深夜に現金が必要になったものの、近隣のATMが通信障害で全滅。クレジットカードも使えない飲食店しか開いておらず、結局ホテルに戻るしかなかった。
▶ ケース②:東南アジアでスリに遭い、全財産を喪失
バンコクの電車内でバッグを盗まれた日本人女性。財布・パスポート・スマホがすべてなくなり、友人に頼んで緊急送金をしてもらうことに。
● 現金不足がもたらすリスク
現地で現金が使えない、または引き出せない状況になると、以下のようなリスクが発生します。
- 移動できない(交通費が払えず、空港やホテルに戻れない)
- 宿泊できない(デポジットが払えずチェックイン不可)
- 飲食に困る(現金のみの飲食店が多い国では深刻)
- 緊急対応ができない(病院や救急対応が自己負担の場合)
こうした状況は、旅の安全性を損ねるだけでなく、精神的にも大きなストレスとなります。
だからこそ、次章から紹介する「事前の備え」が極めて重要なのです。
3. 事前準備が命を救う:出発前に整えておくべきこと
「現地で困ってからでは遅い」。
そんな状況を回避するには、出発前の備えが何よりも大切です。
ここでは、旅立つ前に必ず確認・準備しておきたいポイントを、5つの視点から紹介します。
3-1. 緊急用の現金を確保しておく
普段キャッシュレス派の人でも、非常用の現金(米ドルまたはユーロ)を最低でも100〜200ドル程度は持っておくのが理想です。
これはATMが使えないとき、ホテルのデポジットやタクシー移動など、即座の支払いが必要な場面で非常に役立ちます。
✔ ポイント:
現金は、メインの財布とは別に「隠しポケット」や「パスポートケース」に分散保管しましょう。
3-2. クレジットカードは2枚以上持参を
カード会社によっては、突然の海外利用で「不正利用の疑い」と判断されることがあります。
そのため、異なるブランド・発行会社のカードを2枚以上持っておくのが安心です。
- Visa+Mastercardのようにブランドを分ける
- 楽天カードや三井住友カードNLなどの海外対応カードを選ぶ
- 利用上限を事前に確認しておく
また、緊急時のキャッシング枠も要チェック。使わない人でも設定しておくと安心です。
3-3. 渡航前にカード会社・銀行へ「利用通知」
日本国内では馴染みが薄いですが、海外利用時には事前の「渡航通知」が推奨されています。
これは、不正利用検知による自動ブロックを避けるためです。
主なカード会社では、マイページやアプリから簡単に登録できます。
忘れがちなポイントですが、特に初めての国に行く際は必ず設定しましょう。
3-4. ATM用の暗証番号と対応カードを確認
海外のATMでは、「PINコード(暗証番号)」の入力が必須です。
特にヨーロッパでは、ICチップとPINコードの組み合わせでないと使えない場面も多くあります。
銀行キャッシュカードを使う場合は、「国際キャッシュカード」として海外対応しているか要確認です。
また、4桁のPINコードでないとエラーになるケースもあるため、出発前に確認しておきましょう。
3-5. 両替は出発前 or 到着後ATM?それぞれの戦略
「現地でATM引き出し」と「日本で両替して持参」。どちらが良いかは国によって異なります。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 日本で両替 | 確実に現金を用意できる | レートが不利・手数料が高いことも |
| 現地ATM利用 | レートが良い場合も多い | ATMが使えないリスクもある |
おすすめは、日本で最低限の現金を用意し、現地ATMと併用するスタイルです。
その際は、空港のATMよりも市街地の銀行併設ATMを使うほうが安全で手数料も安めです。
4. 海外に到着後の選択肢:現金が足りないと気づいたらまず何をするべきか
万全の準備をしていたつもりでも、海外では想定外の事態が起こることがあります。
ATMが使えない、カードがブロックされた、盗難に遭った──そんな時でも、冷静に対応すれば手はあります。
この章では、現地でできる具体的な「お金を工面する方法」を紹介します。
4-1. ATMの利用とその注意点
最初に試したいのは、現地のATMで現金を引き出す方法です。
多くのATMは国際ブランド付きのキャッシュカードやクレジットカードに対応しており、現地通貨を直接引き出すことができます。
✔ 使用時の注意ポイント
- 空港やホテルのATMは手数料が高め
- できれば銀行併設ATMを選ぶと安全性が高い
- 引き出し時は「現地通貨で決済(DCC拒否)」を選択
- ATMの操作ミスでカードを吸い込まれるケースあり
なお、ATMに「Dynamic Currency Conversion(DCC)」という表示が出たら、必ず「現地通貨(Local Currency)」を選んでください。
日本円を選ぶと、不利な為替レートが適用されてしまいます。
4-2. クレジットカードでのキャッシング
現地通貨を手に入れるもう一つの方法が、クレジットカードのキャッシング枠を使うことです。
即時引き出しが可能で、銀行の営業時間を気にせず使える点がメリットです。
ただし、高金利+ATM利用料がかかるため、帰国後すぐに繰り上げ返済するのが鉄則です。
✔ キャッシングの活用Tips
- カード会社のアプリで返済手続きが簡単にできる
- 利用限度額を出発前に確認しておく
- ATMによっては英語表記がないため、基本操作は把握しておく
4-3. プリペイド旅行カードや海外デビットの活用
事前に日本円をチャージしておけば、現地通貨として引き出せる海外対応プリペイドカードも有効です。
たとえば、以下のようなカードがあります:
- Wise(旧TransferWise):手数料が安く為替レートも優秀
- Revolut:マルチカレンシー対応でアプリ連携も便利
- マネパカード:日本発の海外旅行プリペイドカード
「クレジットカードが使えない場所でも利用できる」という点では、特に中南米・アジア圏での強い味方になります。
4-4. 両替所や銀行窓口を活用する
どうしてもATMが使えない場合は、町中の両替所や銀行を探しましょう。
ただし、空港の両替所はレートが悪く手数料も高いことが多いため、街の中心部や銀行併設のカウンターがおすすめです。
✔ 窓口での注意点
- 営業時間外に注意(多くは16時〜17時で閉店)
- パスポートの提示を求められることがある
- 不正レートの掲示がある店舗もあるので、事前に相場を把握しておく
あらかじめGoogleマップで「currency exchange」「bank ATM」などと検索しておくと、スムーズに探せます。
5. 緊急時に最も頼れる手段:大使館・領事館による支援
「どうしても現金がない」「カードも使えない」「助けてくれる人もいない」──そんな極限状態では、日本大使館や領事館があなたの最後の拠り所になります。
ここでは、政府機関を通じた緊急送金や援助の仕組みをわかりやすく解説します。
5-1. 家族や知人から送金してもらう
まず検討したいのが、日本の家族や友人からお金を送ってもらう方法です。
この場合、Western Union(ウエスタンユニオン)やMoneyGram(マネーグラム)といった国際送金サービスを利用します。
- 最短10分〜30分で受け取り可能
- 現地の指定店舗(スーパーマーケット・コンビニ・銀行)で受け取れる
- 受け取りにはパスポートと送金番号(MTCNなど)が必要
また、銀行口座宛に直接海外送金してもらう方法もありますが、着金に2〜5営業日かかるため、緊急時は避けたほうが無難です。
5-2. 在外公館を通じた緊急送金サポート
家族からの送金が難しい場合、日本大使館や領事館を通じて、外務省の「緊急送金制度」を利用できます。
【緊急送金制度の概要(外務省)】
- 申請者(本人)が在外公館で手続きを実施
- 日本国内の家族に外務省の口座へ送金を依頼
- 公館から現地通貨で支給される
- 通常、数時間〜1日程度で完了
この制度は、現金を一時的に外務省が「代理受け取り」して、現地で手渡すという仕組みです。
家族や支援者が銀行振込を使える環境であれば、非常に頼れる制度です。
5-3. 緊急帰国ローン(Repatriation Loan)
さらに深刻なケース、たとえば航空券が買えず帰国できない、病院での支払いができないといった場合には、外務省が「緊急帰国ローン」を提供してくれることがあります。
この制度では、旅券(パスポート)を一時停止され、借入後に帰国するまで利用制限が課されますが、命を守る最後のセーフティネットとなります。
✔ 注意点
- 返済義務あり(日本帰国後、分割返済も可能)
- パスポートが制限されるため、帰国後の渡航は一時不可
- 申請には面談・証明書などが必要
5-4. 緊急連絡先と手続き方法
いざというときのために、最寄りの日本大使館・領事館の住所と連絡先はスマホや紙で控えておきましょう。
また、外務省・在外公館の緊急窓口も活用できます:
- 外務省 海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
- 緊急連絡番号(海外):+81-3-3580-3311(代表)
- 在外公館一覧:https://www.mofa.go.jp/mofaj/link/zaigai/index.html
事前に「たびレジ」(外務省の渡航登録サービス)に登録しておくと、災害・政情不安時に連絡がもらえるので非常に有効です。
6. サードパーティの支援サービスを活用する
海外でのお金のトラブルに対応してくれるのは、公的機関だけではありません。
最近では、民間のサポート会社や保険サービスによって、迅速な支援を受けることができるケースも増えています。
● 海外旅行保険のキャッシュレス診療&立替支援
多くの旅行保険には、キャッシュレス診療や緊急資金立替サービスが含まれており、金銭的に困っても自己負担なしで医療を受けたり、立替を受けたりできます。
代表的な保険会社の例:
- AIU海外旅行保険:キャッシュレス提携病院多数
- ジェイアイ傷害火災保険:緊急支援デスクによる24時間体制
- 損保ジャパン:医療通訳・現地手配まで対応
保険証券に記載の緊急連絡先(ヘルプデスク)へ電話をすれば、滞在国・状況に応じた支援が受けられます。
✔ 事前確認ポイント
- 旅行前に保険内容をよく確認し、緊急対応の有無をチェック
- アプリで保険証券を保存しておくと便利
- 現地で通信が難しい場合に備え、PDFの控えや連絡先リストも持参
● 旅行サポート会社の緊急送金&支援サービス
海外サポートに特化した会社では、緊急時の送金サポートや代行サービスも提供しています。
代表的な例:
- On Call International(米):緊急資金援助・救援搬送など包括サポート
- International SOS(世界展開):法人出張や医療支援に強み
これらのサービスは、企業・団体向けの契約が多いですが、旅行保険に付属していることもあります。
また、高額なサポートにはなりますが、命や身の安全が関わる場面では非常に価値のある存在です。
例:On Call International のサービス
- 現金・資金送付の支援(保証金預かり含む)
- 最寄りの医療機関紹介・通訳の手配
- 航空券の再手配・家族との連携
● クレジットカード付帯の緊急サポートも見逃せない
実は、クレジットカードにも「緊急アシスタンスサービス」が用意されていることがあります。
とくに、ゴールドカード以上の利用者は、専用の海外デスクを通じて支援が受けられる可能性があります。
例:
- JCBプラザコールセンター(海外):現地スタッフによる通訳や病院案内
- アメックス・グローバル・アシスト:緊急資金援助、パスポート紛失時のサポート
- 三井住友カードVpass海外デスク:カード盗難やトラブル対応の窓口
出発前にカード会社のサイトやアプリから、海外利用ガイドや緊急対応手順をチェックしておくと安心です。
7. 漫画的・具体例シナリオで学ぶ緊急対応
ここでは、実際に起こり得る「お金が足りない!」という緊急事態を、シナリオ形式で紹介します。
「もし自分がこの立場だったらどうするか?」を考えながら読むことで、知識の定着にもつながります。
● ケース①:ATMカードを飲み込まれた!ヨーロッパ深夜の悲劇
登場人物:社会人旅行者のKさん(30代・男性)
場所:スペイン・マドリードの旧市街
Kさんは現地到着後、ATMで現金を引き出そうとしたが、機械にカードを飲み込まれた。
銀行はすでに閉まっており、ATMには「明朝以降に対応」と書かれている。
近くの飲食店は現金のみ。クレカも手持ちなし。
▼ 対応フロー
- 別の銀行ATMを探すが、どこも「PINエラー」表示
- 現地のホテルに戻り、フロントに事情を説明
- 家族に連絡 → Western Unionで送金してもらう
- パスポート持参で近隣のWU窓口に向かい、現金受取成功
学び:万が一のために、カードは2枚以上+非常用キャッシュの持参が重要。
● ケース②:スリに財布ごと盗まれた!アジアの電車で大混乱
登場人物:大学生Yさん(20代・女性)
場所:タイ・バンコクのBTS車内
観光で盛り上がっていたYさんは、リュックを後ろに背負っていた。
気づけば、財布・スマホ・カード・現金すべてが消えていた。
▼ 対応フロー
- 現地警察へ届け出(盗難証明書を取得)
- ホテルで日本領事館に電話 → 緊急パスポート再発行へ
- 家族に依頼し、外務省経由で緊急送金を受ける
- 無事に現金を受け取り、帰国手続きを開始
学び:リュックや貴重品は常に前に抱えるのが鉄則。
保険や領事館の支援も、パスポートがあれば受けられる。
● ケース③:突然の高熱で病院へ…お金が足りない
登場人物:会社員Sさん(40代・男性)
場所:ニューヨーク・マンハッタン
出張中に高熱と頭痛に襲われたSさん。
ホテルスタッフが病院を紹介してくれたが、診療費が300ドルと聞いて言葉を失う…。
▼ 対応フロー
- スマホアプリで加入していた旅行保険会社に連絡
- 提携病院を案内され、キャッシュレス診療で治療を受ける
- 帰国後、診療報告書とレシートで保険金請求
学び:旅行保険の「キャッシュレス対応」は命綱。必ず保険証券は携帯を。
8. 費用と返済:政府ローンや送金の実務
大使館・領事館による緊急支援やローン制度を利用する際には、当然ながら返済や手数料が発生します。
ここでは、実際にどれくらいの費用がかかるのか、返済方法はどうするのかといった実務面を詳しく解説します。
● 緊急送金制度を使う場合の費用
外務省の「緊急送金制度」では、原則として家族などの支援者が、日本国内の銀行口座へ送金し、現地で本人が受け取る形式です。
例:東京三菱UFJ銀行・霞が関支店への送金(外務省指定口座)
- 手数料:1,000〜3,000円程度(国内振込)
- 外務省で確認後、現地在外公館で現金を受け取り
- 通常、1営業日〜2営業日で完了
大きなコストはかかりませんが、家族との連携が必須となる点は要注意です。
● 緊急帰国ローン(Repatriation Loan)の費用と制約
航空券が買えない、入院費用が払えないなどの場合に使える「緊急帰国ローン」は、外務省または在外公館が立て替える支援制度です。
このローンには以下のような特徴があります:
- 金額上限:必要最低限の航空券代・宿泊費・医療費
- 返済義務あり:帰国後に外務省指定口座へ送金
- 返済遅延:延滞金が発生する可能性あり
- パスポート制限:返済完了まで再発行が制限されることも
この制度を利用するには、在外公館での面談や支出理由の説明書類が必要です。
特に、医療費・出産・入院・盗難被害などに対する支援は、審査が厳格になります。
● 返済方法:Pay-easyや銀行振込で対応
帰国後の返済方法は以下のいずれかになります:
- 銀行振込:外務省の指定口座へ所定の金額を送金
- Pay-easy:コンビニATMやネットバンキングから支払い可
- 窓口払い:一部自治体・外務省関連機関で対応
返済期限は通知に記載されており、期限を過ぎると法的措置を取られるケースもあります。
なるべく早めの返済・連絡が重要です。
● 緊急支援で大切なのは「記録と証明」
公的支援やローンを申請する際、以下の証明書や書類を用意しておくとスムーズです:
- パスポートの写し
- 盗難・紛失届の証明(現地警察)
- 医師の診断書や診療費の明細
- 航空券キャンセル証明(再発行の根拠)
また、現地で領収書や連絡記録(通話ログ・メール)を保管しておくことも重要です。後日の保険請求や返済に役立ちます。
9. 留意点・注意すべき落とし穴
海外での現金不足は、「対応方法を知っていれば大丈夫」と思いがちですが、実際には小さな見落としが大きなトラブルにつながることもあります。
この章では、旅先で陥りやすい代表的な落とし穴とその対策を紹介します。
● 海外ATMの「通貨選択」で損をする
ATMで現金を引き出す際、「円で引き出しますか? 現地通貨で引き出しますか?」と尋ねられることがあります。
この選択は、実は非常に重要で、「日本円」を選ぶと高額な為替手数料が上乗せされる「DCC(ダイナミック・カレンシー・コンバージョン)」が発動します。
✔ 正しい選択は「現地通貨(Local Currency)」!
ATMだけでなく、クレジットカードで支払うときにも同様の選択肢が表示されることがあるため、注意が必要です。
● 預金残高不足・限度額オーバーに気づかない
海外では通信環境が悪かったり、スマホで残高を確認できない場合もあります。
そのため、ATMで「取引不可」となる原因が分からず、慌ててしまうことがあります。
- クレジットカードの利用限度額に到達している
- デビットカードの預金残高が不足している
- 銀行口座がロック・一時凍結されている
出発前に利用限度額と残高を確認し、利用通知を有効化しておくと安心です。
● 海外支援詐欺に注意!
「日本語で支援します」「ホテル代立て替えます」など、困っている旅行者を狙った詐欺も存在します。
特に空港・駅・観光地では、善意を装った詐欺師が寄ってくることがあります。
✔ 詐欺を防ぐ3つの鉄則
- 「現金を預けて」という申し出には応じない
- 公式のヘルプデスクや公的機関以外には連絡先を伝えない
- 現地の警察やホテルスタッフに相談する
不安なときは外務省 海外安全アプリや、「たびレジ」経由で情報提供を受けるのも効果的です。
● 頼る相手がいないと孤立しやすい
「家族に頼めない」「友人に連絡できない」──そういった状況では、精神的な不安から判断ミスを招くことがあります。
困ったときは、一人で抱え込まずにホテル・現地ツアーデスク・領事館などに相談しましょう。
最近では、海外在住の日本人コミュニティやSNSグループも心強い存在です。
TwitterやFacebookで「○○(国名) 日本人 会」などと検索しておくと、いざというときに役立つこともあります。
10. 緊急事態を未然に防ぐための習慣と対策
「現金が足りない!」という最悪の事態を防ぐには、トラブルを未然に防ぐ習慣と仕組みを整えておくことが大切です。
ここでは、旅行前・旅行中にできる“備え”と“習慣化”のポイントをまとめてご紹介します。
● 「たびレジ」に登録しておく
外務省が提供する無料のサービス「たびレジ」は、海外渡航者向けに安全情報を提供し、緊急時に連絡が取れるようにする制度です。
- 現地での災害や政情不安などの情報を即時受信
- 大使館・領事館からの支援が受けやすくなる
- 同行者や家族の連絡先を登録できる
登録はわずか3分。外務省の公式サイト(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/)から簡単に行えます。
● スマホに“緊急用メモ”を保存しておく
スマホが使える状況なら、オフラインでも見られる緊急用メモを保存しておくと便利です。
以下のような内容を、スクショまたはメモ帳アプリに入れておきましょう。
【緊急メモ例】
- クレジットカード番号(控え)と発行元連絡先
- 旅行保険の証券番号と緊急電話番号
- 日本大使館・領事館の連絡先と住所
- 家族や信頼できる友人の電話番号
● 現金・カードは分散保管が基本
盗難・紛失時の被害を最小限にするには、「持ち物の分散」が鉄則です。
- 財布・スマホ・パスポートを1か所にまとめない
- ホテルのセーフティボックスも活用する
- 非常用の現金をパスポートカバーやベルトポーチに忍ばせる
リュックやショルダーバッグは胸の前で抱える持ち方を習慣にしましょう。
● オフラインでも使えるアプリ・地図を活用する
ネットが使えない場所では、オフライン対応のアプリが命綱になります。
- Google Maps:事前に地図エリアをダウンロード
- Google 翻訳:言語パックを事前保存
- TripItや旅のしおりアプリ:オフラインで旅程管理
これらを活用することで、迷子やトラブル時にも冷静に行動できます。
● そして何より「想像力」が最大の武器
どんなに情報を持っていても、「自分が困ったらどうするか?」というイメージができていないと、動けません。
旅先では「財布をなくしたら?」「カードが止まったら?」と、一歩先を想定するクセを持っておくことが、最大の備えです。
旅の自由は、備えの中にある。
たとえお金が足りなくなっても、「備えていたから大丈夫」と思える心の余裕が、旅の安心を支えてくれます。
11. まとめ:いざという時も「慌てず、備える」が最善の防御
海外旅行中に現金が足りなくなる――それは誰にでも起こりうる“非常事態”です。
しかし、今回ご紹介したように、正しい知識と事前の備えがあれば、冷静に、安全に、問題を解決することが可能です。
最後にもう一度、本記事の要点を振り返っておきましょう。
- 現金不足の原因は多岐にわたり、想定外の出費やカードトラブルが多い
- 出発前に「予備現金・カード・PIN設定・たびレジ登録」などの準備が必須
- 現地ではATM・キャッシング・プリペイドカードの使い分けが鍵
- 最終手段は、大使館・家族・支援会社による送金やローン制度
- 詐欺や高額手数料には注意し、常に冷静に選択を
- 「備え」と「想像力」こそが、旅の安心を守る最大の武器
旅先では、想像以上にトラブルが起こります。
でも、“知っている”というだけで、あなたの行動は変わるのです。
この記事が、あなたの旅をより安全で豊かなものにする一助となれば幸いです。
そして、世界のどこかで「お金がなくて困っている日本人」がこの記事にたどり着き、冷静に対応できるようになることを願っています。
安心の備えを忘れずに。良い旅を!


